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【今昔物語集】炎に飛び込み、身を焼いたウサギ【天竺部】

「三の獣菩薩の道に行じ、兎身を焼ける語」(「今昔物語集」巻五・第十三)


仏の道を実践するため、善行を必死に積み修行に励む殊勝なサル、キツネ、ウサギの三匹の獣がおったそうな。
それを見た仏法の守護神たる帝釈天は大層感心したものの、しょせん獣のすることだしちょっと試させてもらうかなとか何とか考え、みすぼらしい老人に化けてドッキリを行うことにした。

180px-Shibamata_Taishakuten_2010_元日
東京都葛飾区の柴又帝釈天(Wikipediaより引用)


今にも飢え死にしそうな老人から食い物をねだられて三匹の獣は快く承諾した。
サルは木の実や野菜、穀物を調達し、キツネは墓からお供え物の飯や魚をパクってきた。
しかしウサギはまったくダメだった。野山を駆け回って人間や獰猛な獣に狩られそうになって這う這うの体で逃げ帰ってくる始末。

人の役に立てない己の無力さに苦しみぬいたウサギはある決意をする。

「サルさん、キツネさん。今日こそ美味しいものを持ってくるのでたき火の準備をお願いします」

そう言って二匹に火を起こさせたものの、手ぶらで帰ってきたウサギに二匹は失望した。

「火の準備させといて結局収穫なしとかまじありえねえwwww」
「マジ使えねえw」

二匹に責められるウサギだが、平然と

「僕の顔をお食べ\(^o^)/」

と言い放つや炎に身を投げて焼身自殺を遂げた。
ブラック企業の経営層や管理職の皆さんは、数字を上げれないからといってあんまり部下を追い込むとこんな風に会社で自殺しちゃうぞ☆


この凄惨な光景に驚いたのは老人に化けていた帝釈天である。
ちょっとしたいたずら心でドッキリを仕掛けたためにウサギを自死を決意させるまでに追い込んでしまった。

帝釈天は慌てて変身モードを解除して、ウサギをドラゴンボールで生き返して月に連れて行った。
己を犠牲にして他者に尽くさんとしたウサギを月のシンボルとして祭り上げたのだろう。
以来月にはウサギが住んでいるという言い伝えが残されたとさ。

Rabbit_in_the_moon_standing_by_pot.png
月の兎(Wikipediaより引用)



「神風特攻隊」を世界遺産に登録しようという動きがあるらしい。

日本の“神風特攻隊”の遺産申請、欧州メディアが「ユネスコの趣旨に反する」と疑問視―中国メディア (Record China) - Yahoo!ニュース

特攻隊の方々が本心はどんな思いで尊い命を散らしていかれたのかは分からない。
日本国民として特攻隊員に限らず、戦争で国に身命を捧げた方々には敬意を払わなければならないとは思う。
が、過度の賛美は「お前らもこうしろ」と強要するように私は感じる。

真に自発的に何かのために犠牲になることは尊いが、無様に生き抜くことだって大事なことだ。


〈参考資料〉

  



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【今昔物語集】雌獅子の子守歌【天竺部】

「獅子、猿の子を哀れび肉を割きて鷲に与える語」(「今昔物語集」巻五・第十四) 


大手コンビニチェーンのファミリーマートが抗議を受けて新商品「フォアグラ弁当」の販売を中止した。
動物愛護団体が強い抗議を行ったようだ。

そんな騒動の中、団体が発した「動物はあなたのごはんじゃない。」というメッセージが波紋を呼んでいる。
動物を殺さないために菜食主義を信念としているのは尊いことだと思うが、このような居丈高な物言いは世間に受け入れられないだろう。

919ed9f6.jpg

畜産:動物はあなたのごはんじゃない|NPO法人アニマルライツセンター


今回はちょっと荒れそうな内容かも。
平安末期に成立したと言われる『今昔物語集』所収の天竺(インド)の説話を1編紹介したい。

昔、インドの山奥に1頭のメスの獅子がおったそうな。
彼女は大変慈悲深い性格で、生きるためには他の生き物を喰わねばならないことに苦しみつつ、
命をつなぐために必要最低限の殺生だけをして、あとは困っている動物たちの世話を焼いたりや身の上相談に乗ってあげたりしていた。

そんなある日彼女のもとに双子の子猿を連れた母猿が訪れた。
獅子が事情を聴くと、子猿たちが今より小さかった頃は2匹を抱いて餌集めをしていたが、2匹が大きくなった今それが難しくなったこと、子猿を巣に置いて餌を探しに行ったら猛鳥や猛獣にたちまち襲われるあろうことを訴えた。

獅子は「あなたがエサを探しに行っている間、私が子供たちを見守りましょう」と快く引き受けた。
母猿は涙ぐみながらお礼を言い、子猿たちを獅子に託してエサを集めに行った。

子猿たちは初めて会う獅子におびえて泣き出してしまったが、獅子が優しく子守歌を歌いだすとやがてすやすやと眠り出した。

子猿たちを背に乗せて菩提樹の木陰にたたずんでいるうちに、獅子もなんだか眠くなってしまい、そのまま寝入ってしまった。


どのくらい時間が経ったのだろう。悲鳴が聞こえて獅子は目覚める。

なんと子猿2匹は鷲に鋭い爪でわしづかみにされている。
子猿たちを物陰から狙っていた鷲が、獅子が眠ったのを見計らって襲いかかってきたのだ。

「待って!」

獅子は鷲に懇願する。
鷲が鳥たちの王であるならば、獣たちの王たる自分の話を聞いて欲しいと。

「その子たちは、母猿から託された大事な預かりものなのです!
どんな難題でも受け入れますからどうかその子たちを返してください」

鷲は子猿たちを爪で強く抑えたまま、返答する。

「私も巣に腹を空かせた子供たちを待たせているのです。もう何日も獲物にありつけておりません。
この子猿を諦めたら私も子供たちも飢え死にしてしまいます」

すると獅子はこう提案した。

「ならばその子たちの肉の分だけ、私の肉をさし上げます。なので子供たちを返してください」

「本当に??」

「ほらこの通り!」

獅子は鋭い牙でおのれのももの肉を引きちぎった。
あたりに鮮血が散った。

「お見事です」

鷲は獅子の気迫に圧倒され、子猿たちを解放した。
そして獅子のももの肉をもらい我が子の待つ巣に帰って行ったという。


壮絶な話である。
ただ単に子猿たちの命を救うのではなく、飢えた鷲の親子も救わんと自らを犠牲にしている。

我々は身近な自然の中で、厳しい弱肉強食の瞬間を目にすることが時折あるだろう。

蜘蛛の巣にかかった美しい蝶、蛇に丸のみにされる哀れな蛙。
そんな時正義感に駆られてその生き物を思わず助けてしまうこともあるだろう。

それは人間の感情として至極当然なことだ。
でも間違っている。

いいことをしたつもりになっているのかも知れないが、獲物を仕留め損なった生き物は飢えて死ぬしかないのかも知れない。

ネットの書き込みで、カラスの大群に襲われている野良の子猫を助ける話を見たことがある。
Twitterで話題となった子猫「わさび」ちゃんもそうだ。

猫は可愛い。カラスは人にもよるだろうけどあんまり可愛くない。
可愛い猫を救って、可愛くないカラスを飢えに追いやることは人情として仕方のないことかも知れない。

前述の獅子のエピソードはそんな行為にある種の示唆を与えてくれる。
他者全てを救いたいのならば自らを犠牲にする覚悟を持たねばならぬと。

もちろん自身のペットである子猫が襲われたのならば、救って当然だし何ら責められることはない。
しかし自分がその猫を拾って飼う覚悟もなく、自然界の弱肉強食の苦しみから解脱した人間が軽々しく介入してよいのだろうか?

なお、わさびちゃんのケースは、うp主は助けた子猫を家に連れ帰り最後まで面倒を見ているのでその点では称賛されて然るべきだとは思う。


「ハッピーピープル」という漫画に、今回のテーマに似た話がある。
心優しい坊さんが、生き物たちの食物連鎖に苦悩する話だ。

↓のサイトであらすじが読める。

人間だから・・・人間だからこそ・・・



〈参考資料〉

  




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【日本古典】竹取物語⑥【かぐや姫】

<前記事>
竹取物語①
竹取物語②
竹取物語③
竹取物語④
竹取物語⑤

いよいよ最後の挑戦者だ!


【挑戦者】
中納言 石上麻呂足(いそのかみのまろたり)

モデルとなったのは石上麻呂(640年~717年)という人物。
スサノオの子である(諸説ある)饒速日命(ニギハヤヒ)の末裔といわれる物部氏。
物部氏は大伴氏と共に朝廷の軍事部門担当(大伴氏が近衛師団や親衛隊なら物部氏は国軍)として大いに栄えたが、仏教導入を巡って蘇我氏や聖徳太子と対立、敗れて以降は没落した。

その後「石上氏」に改姓し、当時の当主麻呂は壬申の乱では負けた大友皇子側だったのだが何故か天武天皇に重用され、右大臣にまで出世した。具体的にどんな政治をしたのか分かんねーけど、麻呂が亡くなった時民衆がすごく悲しんだとか。愛されてたみたいです。

ちなみに江戸時代の学者荻生徂徠は物部氏の血筋らしい。


【依頼品】
燕(ツバメ)の子安貝

子安貝とはタカラガイという貝のことで、美しい質感から古来より珍重されてきた。
アフリカや中国ではこのタカラガイの貝殻を貨幣として用いていたことがあり、「財」や「貯」や「贈」など金銭に関係する漢字の部首に貝が使われているのはその名残りだといわれている。

また女性、繁栄、生誕、富などの象徴とされ儀式や装身具にも用いられた。
見た目が妊婦の腹のように見えること、下から見ると女性器に似ていることなどが由来である。
出産の際に産婦がタカラガイを握って安産を祈願したりした。

これまでかぐや姫の出した難問と異なり子安貝は実在する。だがしかしツバメとは何の関係もない。
燕は日本では古来より益鳥として大事にされてきた。稲作において穀物を盗み食いするのではなく害虫を食べてくれるからだ。
家にツバメが巣を作るのはめでたいこととされ、家内安全や商売繁盛の象徴とされた。
いつしかタカラガイとツバメというめでたいもの同士がくっついて「燕の子安貝」という謎のレアアイテムが人々の想像上の存在として生まれたのかも知れない。

740px-Cypraea_stolida.jpg
子安貝(宝貝)の貝殻(Wikipediaより引用)



麻呂足は家臣たちに「ツバメの巣を探せ」と命じた。
ある家臣は「ツバメをいくら殺して腹を割いても子安貝は出てきません。しかし何故か子を産む際はどこからともなく子安貝が巣に現れます。しかし人間が見ると子安貝は消えてしまいます」とアドバイスしてくれた。
またある家臣は「大炊寮(おおいづかさ、食糧を管理する役所)の柱にツバメの巣がありますよ。そのに足場を設けて巣を覗きましょう」と言った。
麻呂足はいいことを教えてくれたと喜んで、大炊寮に家臣を20人ほど派遣し、足場を組ませてツバメの巣の監視業務に従事させた。

しかしなかなか子安貝は手に入らない。
大勢の人間が巣を監視しているので警戒して卵を産まないのだ。
そこへ大炊寮の役人の倉津麻呂という爺さんが麻呂足に「よい方法を伝授します」と言ってきた。
「あんな大がかりなやり方じゃ子安貝は取れません。足場は撤去してください。
代わりに人が1人乗れる籠を巣の下に待機させて、ツバメが子を産んだときに素早く籠を引き上げて子安貝をゲットしましょう」と倉津麻呂じいさんは言う。
滑車のような装置を用いるのか、下から棒のようなもので持ち上げるのかは文献からは読み取れないがまあそんな感じで、麻呂足は大いに感心して爺さんの策は採用された。

倉津麻呂じいさんが言うにはツバメが出産する際には尾をさし上げて7回まわるらしく、その時が籠を引き上げるチャンスなのだそうだ。
巣の下で張り込みを続けて幾数日、ようやくじいさんの言うようにツバメが尾をさし上げて回っている。
そこで家臣を乗せた籠が引き上げられ、家臣は巣に手を突っ込んで探ったがそれらしきモノは無かった。

麻呂足は「あーもう!俺がやる!」と言って自ら籠に乗り、ツバメの巣に手を突っ込んだ。
すると何やら固いものを掴んだ感触が!
「何か掴んだぞ!籠をおろしてくれ」
家臣たちは慌てて縄を引いたのだが、強く引きすぎたため縄が切れてしまった。

麻呂足は籠から投げ出され、八島の鼎(やしまのかなえ)の上に墜落してしまった。
鼎とは元々は調理器具で、転じて祭事に用いられる神具だ。

800px-Liu_Ding.jpg
劉鼎 殷の末期の鼎(Wikipediaより引用)

八島とは日本神話で、イザナギとイザナミが国作りとして生んだ淡路島、四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、そして本州の8つの島、すなわち日本の事。
八島の鼎とは日本国の豊穣を祈願する神具だと思われるが、その上に落ちるのだから罰当たりというか神罰が下ったというのか。

家臣たちは突然の事故に仰天して麻呂足を抱き起した。
麻呂足は「あいたた…でも子安貝見つけたぜ」と言ってその手に握っているものを確認した。
しかしそれは子安貝ではなくツバメの糞が乾燥したものだった。
麻呂足はあまりのことに「ああ…甲斐無し(貝無し)」とつぶやいて気を失ってしまった。


麻呂足は落下事故の際に腰の骨を折ったようでその後の容体が悪く寝込んだままみるみる衰弱してしまった。
それを聞いたかぐや姫は意外にも麻呂足に対して見舞いの手紙を送っている。
麻呂足はかぐや姫に優しくされて少し嬉しかったようで「甲斐が有った(貝が有った)」と言って息を引き取ったそうな。彼の死を聞いたかぐや姫はちょっぴり可哀想に思ったんだとwちょっぴりじゃねーよw
原文では「『少しあはれ』とおぼしけり」w少しじゃねえw
ジブリの映画「かぐや姫の物語」ではかなり嘆き悲しんでいたな。まあ麻呂足個人に対する憐憫というより、自分の要求で結果的に人を死なせてしまった罪悪感でだが。
また映画版では麻呂足が掴んだものは糞ではなくツバメのヒナだった。Twitterで誰かが「より業が深くなった」と言ってたっけ。


しかし考察サイトの桔梗屋旅館様もご指摘の通り、この麻呂足に課された試練は他の4人に比べて簡単そうに思える。
「燕の子安貝」は実在しないものの、適当にその辺でタカラガイ拾ってきてこれが「燕の子安貝」ですって言ってもよくね?w
そうしない辺りが人格者というかお人よしというか…
史実の石上麻呂はその死の際に民衆が哀惜したとも言われいい人っぽい。
この物語の麻呂足も部下の意見をよく聞き、部下たちもそんな主人によく尽くしている。
書かれ方も前の4人よりいいし、冷淡なかぐや姫にしては見舞いの手紙を送るなど破格の扱いである。
安産のお守り的なアイテムを所望する辺り、かぐや姫も少しは気があったのかも。
しかしその末路は最も悲惨だというところが謎が深まるなあ。


さて5人の挑戦者たちは皆、かぐや姫の試練の前に敗れ去ってしまった!
しかしこれで結婚しなくていいと安堵するかぐや姫の前にさらなる強敵が立ちはだかる!
次回乞うご期待!


〈参考資料〉
    

フリー百科事典Wikipedia

桔梗屋旅館

〈関連記事〉
【日本古典】竹取物語①【かぐや姫】

【日本古典】竹取物語②【かぐや姫】

【日本古典】竹取物語③【かぐや姫】

【日本古典】竹取物語④【かぐや姫】

【日本古典】竹取物語⑤【かぐや姫】



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