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最近好きな人物 ユリアヌス 後編

前皇帝のコンスタンティウス2世の急死によって幸運にも帝国の最高権力者になったユリアヌスは、配下の軍団とともに帝都コンスタンティノープル(現在のトルコのイスタンブール)に乗り込む。

彼はガリアでの経験をもとに財政再建など、帝国を立て直すための諸改革を続けざまに実行した。
宮廷では無駄な奴隷や役人が多数雇用されていたので、彼は大量のリストラを断行する。

政務を執るユリアヌス
政務を執るユリアヌス

彼の数々の改革の中でも特筆すべきは、キリスト教への優遇措置を廃止したことである。
当時のローマ帝国では、信者数を急速に拡大して成長するキリスト教を、崩れゆく帝国を一つにまとめるために利用しようと優遇政策が行なわれていたのだ。

ユリアヌスの先代や、そのまた先代の皇帝たちはキリスト教を手厚く保護していたのだった。
彼はそれを白紙に戻す。キリスト教をその他の宗教と平等に扱おうとした。

ちなみにこの時期に彼は、それまでキリスト教徒たちから迫害されていたユダヤ教を支援したりもしている。
キリスト教のみが勢力を誇っていたので、その他の宗教を応援してバランスを取ろうとしたのだと思われる。

とても進歩的で素晴らしい政策ではあるのだが、それは非現実的な理想論に過ぎなかった。
帝国中のキリスト教徒の激しい敵意と憎悪が彼に向けられることになる。
当時のローマ帝国の中枢にはキリスト教徒の官僚も少なくなかった。

彼が建設中だった、ギリシャ神話の太陽神アポロンに捧げた神殿が何者かに放火され全焼してしまう事件もあった。
ユリアヌスは皇帝としての職務に励んだのだが、国内の反対派の嫌がらせや妨害にあって何もうまくいかなくなってしまった。


そこで彼は、帝国の東方の国境を脅かす強敵ペルシャとの戦いに勝つことによって事態の打開を図ったのだった。

ガリア時代から彼に忠実に付き従っていた古参兵とともにユリアヌスはペルシャへ進攻を開始した。各地でペルシャの大軍を散々に討ち破って、首都のクテシフォンへ順調に進撃を続ける。

寒冷なガリアで生まれ育った兵士たちは、全く環境の違う灼熱のペルシャの砂漠でもユリアヌスのために実によく働いた。

そうして首都クテシフォンを包囲したユリアヌスは、本国に兵力の増援を依頼したのだが…

何と、本国の反ユリアヌス派たちの妨害工作によって遠征軍への補給が滞ってしまう。
この事態にはさすがのユリアヌスも攻略目前のクテシフォンを諦め、包囲を解いての撤退を余儀なくされた。

この退却の混乱の最中、何者かが放った槍にユリアヌスは胸を貫かれ、あっけない最期を遂げる。
伝説では絶命する間際に「キリストよ、お前の勝ちだ」と叫んだともいわれている。

Saint_Mercurius_killing_Iulian.jpg
天使によって刺し貫かれるユリアヌス


享年32歳。早すぎる死だった。
先帝コンスタンティウス2世の病没により唯一の皇帝となってからは19ヶ月。

作家の塩野七生は言う。もしもユリアヌスの治世が19ヶ月ではなく、19年だったらと。

彼の生涯が我々に問いかける意味は何であろう?彼の生き様から我々は何を学ぶのだろう?


彼の死後、彼の政策だった「信仰の自由」は無かったことにされ、再びキリスト教が覇権を握る。

光り輝く古代は過去のものとなり、暗黒の中世がゆっくりと近づきつつある時代の話である。

―ガリラヤ人よ、汝は勝てり―


参考資料

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

塩野七生著『キリストの勝利』ローマ人の物語ⅩⅣ


クリス・スカー著『ローマ皇帝歴代誌』
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